2008年05月

インターンシップのタダ働きは違法?

インターンシップ学生は、あくまで研修、就業体験が目的なので、労働者と同じように扱うことはできません。

もし指揮命令のもとに作業に従事させるなら、最低賃金法や労災保険法が適用となり事業主は、お給料の支払や保険料の納付が必要となります。インターンシップ契約とは別途に、雇用契約を結ぶことが望ましいでしょう。

インターンシップ実施取扱い規程より

[関連通達]
平成9年9月18日基発第636号(旧労働省局長の通達です)

一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる。

家賃の供託はいつまで預かってくれる?

みなさん、法務局へ供託に行ったことはありますか?
あまりないですよね・・
家賃受け取りを大家さんが拒否することはあまりないですから。。
手続きもよく分からないし。。
でもmisuzuが相談に行った仙台法務局の供託係のおじさまはとっても親切に手続き方法を教えてくださいましたよ! ビバ!法務局!

・・^^; ところで、いったんおさめた供託金を取戻したいときはいつまで待ってくれるのでしょう。下記判決によれば、家賃支払日の翌日からいちおう15年間ということになりますね。

弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点

平成13年11月27日 最高裁判所第三小法廷判決 平成10(行ツ)22 供託金取戻却下決定取消請求事件

過失なくして債権者を確知することができないことを原因として賃料債務についてされた弁済供託につき,同債務の各弁済期の翌日から民法169条所定の5年の時効期間が経過した時から更に10年が経過する前にされた供託金取戻請求に対し,同取戻請求権の消滅時効が完成したとしてこれを却下した処分は,違法である。

遺族年金をめぐる本妻と内妻の対決

遺族の年金受給権をめぐる議論。
死しても、なお争いはつづく・・

遺族共済年金受給権は内縁の妻にあるとされた事例

遺族年金の受け取り人は、事実婚の妻も含みます。
法律婚と事実婚の妻の受給権が競合する場合は、実質的な婚姻関係がどちら側に形成されているか、が問われることになります。
民法の相続人が、一方的に内縁の妻を排除している(内縁の配偶者の相続人に対する財産分与請求権を認めなかった事例)のに比べ、さすが社会保険法は実質を重んじてくれるわけです。なかなか奥が深い!

平成17年04月21日最高裁判所第一小法廷
遺族共済年金不支給処分取消請求事件

私立学校教職員共済法に基づく私立学校教職員共済制度の加入者で同法に基づく退職共済年金の受給権者の男が重婚的内縁関係にあった場合に,遺族共済年金の支給を受けるべき配偶者に当たるのは内縁の妻であるとした事例
(反対意見あり)

ちなみに、近親者間で内縁関係にあった(子もあり)というイケナイ関係の場合はどうなんでしょう。

近親的内縁関係の場合、遺族厚生年金は支給されますか?


原則できないのですが、例外もあります。

平成19年03月08日最高裁判所第一小法廷
遺族厚生年金不支給処分取消請求事件

厚生年金保険の被保険者であった叔父と内縁関係にあった姪が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例
(反対意見あり)

裁判要旨 厚生年金保険の被保険者であった叔父と姪との内縁関係が,叔父と先妻との子の養育を主たる動機として形成され,当初から反倫理的,反社会的な側面を有していたものとはいい難く,親戚間では抵抗感なく承認され,地域社会等においても公然と受け容れられ,叔父の死亡まで約42年間にわたり円満かつ安定的に継続したなど判示の事情の下では,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという厚生年金保険法の目的を優先させるべき特段の事情が認められ,上記姪は同法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たる。

日本のかつての農村では、近親婚が比較的よく見られたようです(判例を読んでいるとこんな文化人類学的な発見があるんですね!)。
それにしても、いずれも反対意見の横尾和子さん、保守的モラリスト(というか近代的フェミニスト)だなあ・・

なお遺族基礎年金(国民年金部分)については、本妻でも内妻でも原則18歳以下の子どもがいなければもらうことはできません。

ビラ配りで罰金刑

君が代不起立呼びかけ『罰金』のナゼ。妨害の印象ない/東京新聞

ビラ配りが威力業務妨害罪になるとは・・・
確かに有形物による業務妨害かも知れないが・・・
裁判官も無罪とはできない以上、罰金刑で何とか踏みとどめたというべきか。
弁護団の「起訴は言論弾圧で、公訴権の乱用」という検察批判もうなずける。
都教委に刑事告訴を煽ったとされる某都議に検察も同調したということか。

一方で、君が代のCD演奏中に、カセットを勝手に止めちゃった先生をかばう裁決もあります。
北海道教育委員会が業務妨害罪で訴えなくて、良かった!

「君が代カセット搬出戒告処分取消」北海道人事委員会裁決(2006.10.20)

誹謗中傷の書き込みをした相手を特定したい

ネット掲示板である日、自分に対する誹謗中傷の書き込みを見つけたら・・
発信者をどうやって見つけ出すのか・・・

実務的観点から書かれた下記のサイトはとても勉強になりました。

増え続けるネットの誹謗中傷、もしものときの“法的撃退術”を久保弁護士に聞く - 日経トレンディネット

プロバイダー責任制限法では、被害者に発信者情報開示請求権を認め、プロバイダーがその開示に応じない場合は、軽過失である場合をのぞき、損害賠償責任を負うと定めました。

被害者はこの情報を使って発信者を特定し、発信者に対して民事上の責任追及を行うことが可能となります。

プロバイダーに対する情報開示請求書や、最終的な示談書の作成などは、行政書士でも可能ですね。というか、情報開示請求って、まるでプロバイダーは行政機関のようだ・・

ネット掲示板というある程度公的な言論空間を営んでいる、という意味でプロバイダーも今や行政機関なみの公的責任を負わされているんですね。

プロバイダー業(掲示板管理者を含む)も責任重大ということに気づきました。

プロバイダー責任制限法

(発信者情報の開示請求等)
第四条  特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、開示関係役務提供者(プロバイダー等)に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他)の開示を請求することができる。
一  侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
二  当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。
4  開示関係役務提供者は、第一項の規定による開示の請求に応じないことにより当該開示の請求をした者に生じた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、賠償の責めに任じない

発信者情報開示関係ガイドライン(PDF)
(プロバイダ責任制限法対応事業者協議会)
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