2008年04月

人権救済の申立て

最近の冤罪事件で、警察官、検察官による人権侵害をともなう不当な取調べ方法が問題になっています。こうした場合に、被害者の方にどのような救済の道が開かれているのでしょうか。

刑法には次のような規定があります。

特別公務員暴行陵虐罪(刑法第195条第1項)
裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、七年以下の懲役又は禁錮に処せられる。

違法な取調べを受けたときは、たとえ被疑者であっても、警察官等をただちに刑事告訴することが可能です(警察への告訴状は行政書士が代理作成できます)。事後的に国家賠償法にもとづき慰謝料請求も国・都道府県に対して認められます。

また近くの法務局や弁護士会に人権救済の申立てができます。弁護士会に対する申立てであれば行政書士による申立書の作成・手続き代理が可能です(法務局関係は司法書士さんへ)。

仙台弁護士会人権擁護委員会

検事が被疑者に対して侮辱的差別別的発言を行ったとして警告を行ったり、行政機関が申請を長期間放置したことに対し改善を要望したりしています。

「踏み字」元警部補に有罪判決 捜査過程で自白強要 - MSN産経ニュース

違法な取調べに刑法195条が適用されたケースです。

第16回 刑事手続と人権(2) 拷問と死刑--36条(水島朝穂-憲法から

死刑執行もある意味、受刑囚に対する加虐行為といえそうです。

行政書士による不服申し立て

行政当局から営業許可の取り消しなど、行政処分を受けた場合にその処分の取消を求めたいという場合を考えます。行政書士は、行政不服審査法にもとづく不服申し立てのお手伝いができるのでしょうか。

争訟性の高い法律案件であることから非弁活動を禁じる弁護士法72条との関係が問題になりますが、72条の但書の規定にもとづき、基本的に行政書士の業務範囲を逸脱しないかぎりで(つまり、本人の不服申し立てに関する純粋な書類作成等の支援に留まり、トラブル解決を図ろうとするわけではないのであれば)、不服申立書の作成・提出代行・相談の業務ができると解釈できます。

これは、お金を貸した・返さないの消費貸借をめぐる法律事件が生じた際に、行政書士が貸主に代わって返還請求権行使の内容証明郵便文書を作成すること自体は(本人からの純粋な依頼に従うのみでトラブル解決への介入を意図したわけでなければ)、非弁活動にはならないという理屈と同一です。

実務的にもたとえば、検察から被疑者不起訴の通知を受けた犯罪被害者がその決定に不服であるとき、行政書士は検察審査会に提出する審査申立書の代理作成ができるとされています(昭和53年2月3日自治省行政課決定)。

この問題を考えるにあたり、参考となるのはつぎの判例です。司法書士が訴状を作成するにあたり、弁護士法72条違反が疑われた事件で、高松高裁は、司法書士の業務範囲をこえないかぎりで、正当であると判示しています。

★「昭和52.1.18.松山地裁西条支部・宗判決」

 「司法書士の所為が弁護士法72条に違反するかどうかは、そのしたことが書類作成委託の究極の趣旨を外れ、職制上与えられた権限の範囲をゆ越し、自らの意思決定により自己の判断をもって法律事件の紛議の解決を図ろうとしたものであるかどうかによって判断すべきもの、すなわち右の権限ゆ越か否かが区別の本質的基準とする・・・・」

★「昭和54.6.11高松高判・判例タイムズ388号」

 「弁護士法72条が禁止するのは『争訟性のある法律事務に限られる』こと、したがって、弁護士法3条1項の弁護士の業務範囲と弁護士法72条で禁止する法律事務(条文例示その他一般の事件事務)とは同一でないことを判示し、司法書士業務(訴状作成等の裁判事務)は弁護士業務の一部であり、弁護士法72条の法律事務に該当するが、司法書士の行為が司法書士としての業務範囲を超ないかぎり、いわゆる正当な業務行為として適法である」「司法書士は司法書士法で定められた限度で業務として他人間の事件、権利義務関係に関与するのであるから・・・(中略)、業務範囲を逸脱した行為が弁護士法72条の構成要件を充足するときは、もはや正当な業務として違法性が阻却される理由はなくなり・・・・(中略)、法律常識的な知識に基づく判断の範囲内での行為であれば弁護士法72条に該当しない」

清宮寿朗「行政書士業務根拠先例・法令等紹介

こうした指摘を踏まえますと、不服申立てそのものの代理(本人の利益となるように行政側と交渉すること)は、弁護士法第72条に明らかに抵触するので、避けなければなりません。行政書士はあくまで行政実務の専門家として、申立て“手続き”のお手伝いをするに過ぎない、と認識すべきでしょう。

地方公務員の労災申請

行政不服審査法関係で。

校長自殺は労災 審査会が“逆転”裁決
2008年4月21日(月)13:03
* 共同通信

茨城県常陸太田市の県立佐竹高校で必修科目の未履修が発覚、校長の高久裕一郎さん=当時(58)=が06年に自殺した問題で、地方公務員災害補償基金茨城県支部審査会が、07年に出した棄却の決定を覆し、自殺を公務災害と認める裁決を出していたことが21日、分かった。高久さんは06年10月、自殺しているのが見つかった。遺族は公務災害認定を請求したが、県支部は棄却。遺族が審査請求をしていた。・・・

上記の記事で、「審査会が自ら決定を覆した?」と一瞬考えましたが、それは誤解。最初の棄却決定(補償申請に対する拒否(不支給)の処分)を下した行政庁は県支部長で、これを不服として、遺族の方が審査庁たる県支部審査会に審査請求をしたのでした。

ちなみに、こうした労災関係の補償申請、審査請求等ができるのは行政書士ではなく社労士さんです。

不服申立て(地方公務員災害補償基金HPより)

「基金(支部長)が行う補償に関する決定について不服がある場合には、行政不服審査法の適用を受け基金の支部審査会に対して審査請求をすることができます。」

消費者のための行政

パロマ湯沸かし器事故被害者のご遺族のコメント・・

「経済産業省は製品の回収を命じる権限があるのに何もしていなかった。一体だれのために事故情報を抱え込んでいたのでしょう」・・

行政組織の取り組みをうながし、国民の利益を守る行政書士の役割が今後ますます強く求められる気がしてなりません。

「命尊ぶ行政を」 製品事故の遺族ら、署名・訴え

2008年04月18日15時09分朝日新聞社

 製品事故で我が子を失い、事故をめぐる監督官庁の対応に強い不信感を抱く。そんな遺族たちが「消費者重視の行政機関の設置を」と訴えている。政府は消費者行政を一元化し、泣き寝入りやたらい回しをなくす考えだが、官僚らの抵抗で難航も予想される。

いつも何度でも

覚和歌子さんの詩から。

  呼んでいる 胸のどこか奥で
  いつも心踊る 夢を見たい

  悲しみは 数えきれないけれど
  その向こうできっと あなたに会える

  繰り返すあやまちの そのたびひとは
  ただ青い空の 青さを知る
  果てしなく 道は続いて見えるけれど
  この両手は 光を抱ける

      「いつも何度でも」より

木村弓さんが素敵な曲をつけています。彼女の歌声を愛・地球博の野外舞台で聴いたとき、涙が止まりませんでした。

今日、『徹子の部屋』でのナターシャ・グジーさん(ウクライナ出身のバンドゥーラ奏者、チェルノブイリ被爆者のおひとり)の歌声にまた涙。。

livedoor プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ